2008年8月アーカイブ

13.jpgREASONを使った、トラックメーキングのセミナーをします。興味のある方は是非、お越しください。HOUSEのトラックメーキングの極意をお教えします。

詳細は下記の通り

http://www.mi7.co.jp/2008reason/

Reason Summer Seminar 2008

会場 :  アップルジャパン株式会社  セミナールーム

〒163-1480 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー 32階

日時 :2008年8月30日(土) 13:30~19:00 (13:00開場予定)

※ 入場無料、事前登録が必要となります。

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前のトピックでTransient Designerを取り上げたが、その中でBBEのことに触れたのでそのことについて詳しく書いてみよう。(BBEについてはダイナミックプロセッサーではなくエフェクトではないか?と思う人もいますが、あえてここではダイナミックプロセッサーとします。)

ダイナミックプロセッサーは音の変化が地味だと書いたが、このBBEはTransient Designerと同様とにかく音が派手に変わる。20年以上前からあるプロセッサーで、私もごたぶんに漏れず、高校生時代からBBEは使っていた。初めて使ったときは衝撃だった。

80年代J-POPでは必須アイテムで、最近復活した米米クラブの石井氏が当時好んで使っていたのを覚えている。

詳しいプロセス方法についてはこちらを参照してほしい。

http://bbesound.jp/techbbe/

技術的なことはあえてここでは書かない。(ディレイを使っているとのこと、ダイナミックプロセッサーか?といわれそうだが、私はダイナミックプロセッサーとしてBBEは考えたい。)

とにかくEQでは無い。音が前に出てこないなぁ~なんてときには、こいつ一発で前に出てくる。不思議だ。

ただ、問題もある。過剰に使えば音がやせる。マスターにかけることは厳禁だ。大変なことになる。

一時、使用頻度が下がったプロセッサーだが、プラグインで見事復活した。

で、今やこのBBEは私のワークフローではヘビーローテーション。外せない。

アウトボードは使われること無くホコリをかぶって倉庫に寝ているが、プラグインは大活躍中だ。

なんとなく皮肉だ。

参考までにこのプラグインはオンラインでたったの$129・・・。

なんとなく嬉しい。

音をコントロールする上で、ダイナミックプロセッサーは必須だ。

一般的なのはコンプやリミッター。とにかくこれらをうまく使うことが出来れば、音は面白いくらいにまとまっていく。

で、最近これらとは違った考えのダイナミックプロセッサーを使い始めた。SPLのTransient Designerだ。

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実に面白い。アタックとサスティンをコントロールするだけのものだが、びっくりするくらい音が変化する。

ダイナミックプロセッサーはエフェクトと違って聴感上ドラスティックな音の変化はそんなにあるものじゃない。どちらかというと地味な変化なわけで、コンプなんかは音楽を始めたばかりのユーザーにとってはそのプロセス結果は非常にわかりにくい。

ところがこのTransient Designerはとにかく音が変わる。エンベロープを操作することがこんなにも重要だったのか?と再認識させられるプロセッサーだ。

さぁそこで、私の場合は何に使うのか!

これをキックに使うのです。アタックを立ち上げて、サスティンの値を小さくすると、なんとスピーディーで粒の立った音に変化するのです。

こんな音を作るために、今まではコンプとの戦いでしたが、こいつのおかげでキックにコンプいらずです。

逆にこれをクラップにかませ、アタックの値を小さくとり、サスティンの値を大きく取るとやわらかい角の取れたかっこいい、クラップになります。

ループやトラックにかませれば、そのプロセス結果によっては完全にエフェクトになります。

このダイナミックプロセッサーはBBEに出会ったときくらいの衝撃でした。(BBEについては次のトピックで取り上げよう!)

今までのキックの音作りに費やしていた時間を考えると、早くこのプロセッサーに出会っていたかった・・・。

ちなみにこいつはUAD-1の追加プラグインです。(オンラインで$199。)

イコライジングは熟知した上で駆使すると個性的な使い方もできるプロセッサーだ。

たとえば簡単に出来る効果的な方法は・・・。

■ラジオボイスの作り方
低音250~500Hz ぐらいより下を全部切る。そして2~3KHzぐらい上も全部切る。そうするとアラ不思議!?安っぽいラジオサウンドになります。これをモノラルにすればさらに安っぽい音になって効果的な使い方が出来ます。そう、安っぽいラジオのスピーカーは低域と高域が出ていないのです。EQでそういった状況を作り出してやるんですね。ノイズを足せば、完璧です。

■すっきりピアノ
実はピアノにはたくさんの倍音成分を含んでいます。よくこの成分が低音楽器とぶつかったりして、音がぼやけてしまうことがあります。そんなときは低音をばっさりEQで切ります。そうすれば、アラ不思議、アンサンブルの中でピアノがすっきり聞こえます。これはボーカルなどにも適応できます。アンサンブルの中ですっきりさせたいときは中高域パートの低音をばっさり切っちゃうのです。ただ、これはポップスやクラブミュージックには向きますが、JAZZのバラードやクラシックには向きません。なぜなら、ハイファイ感が無くなります。この方法はたくさんの構成音のある中で効果的にピアノを聞かせたいときに有効です。くれぐれもピアノソロでこの方法は使わないように・・・。 イコライザーのゲインをオートメーションすることもコツのひとつです。便利な時代!

■リッチなリバーブ空間を作ってみる。
リバーブのパラメータに高域、低域の周波数を減衰させ、すっきり聞かせる方法があります。ハイダンプなんていうパラメータがあり、私もボーカルなどにリバーブを使用する際は必ずといってよいほどリバーブの高域成分を適宜カットします。ところがこれがクセモノですっきり聞こえるけれどもハイファイ感がなくなることもしばしば。そこで裏技的にリバーブ成分だけ15KHz近辺より上をブーストします。そうするとアラ不思議、リッチな空気間が生まれます。これは構成する音が多い場合、効果はあまりありません。静かな楽曲の中で聞かせたい音に使うと効いてきます。 但しこれには注意があります。44.1KHzや48KHzではよくわからなかったりします。この方法を試してみるときは是非96KHzのプロジェクトで使用することをすすめます。

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EQは時にフィルターのような使い方も出来、音をコントロールするプロセッサーとしてはかなり重要なポジションを占めます。はっきり言ってEQ無しでは楽曲のプロデュースは出来ません!EQをコントロールできるようになれば、音は確実にプロクオリティーに近づくはずです。

そしてEQにも個性があります。エンジニアはプロセスするサウンドにあわせてEQを選んだりもします。プラグインで有名なのが、SONNOX、GMLなどが挙げられます。私の尊敬するエンジニアさんはこのGMLをかっこよく使いこなします。

個人的にはUAD-1のNEVE1073はかなりの頻度で使用します。これはオリジナルにかなり近いのではないでしょうか?もちろんオリジナルはヴィンテージですから手に入り難いですし、プラグインならDSPの許す限り使えますしね。ガッツリ効くのが魅力的です。

私の希望ではAVALONのEQプラグインが出たら即買いですね。多分出るんじゃないかなぁ、いや、絶対に出る!信じよう。

9.jpg 音楽を制作する上でイコライザー(以下EQ)は非常に大切なトリートメントであることは言うまでもない。

しかしEQの使い方によって音はよくも悪くもなる。大切なことは楽曲の全体を見てEQを考えることが大切だ。(これ非常に重要!!)

EQは言ってみれば、強引に音を捻じ曲げてしまうんです。慎重に扱うことが大切。そこでEQを触る前に大切なことはモニター環境を整えること。意外にEQの話しの時に、このことは語られない。

音がよく見えてこない状況でEQをしてしまうと後からとんでもないことになってしまいます。まずはモニター。音の細部まで見えるようなモニター環境を作ってほしい。よくスタジオで使われる、モニタースピーカーはYAMAHAのNS10M-Studio。(すでに終売)これは一般の視聴環境に非常に近いということと、比較的音が見えて、聞きやすいという利点がある。但し、低音部が弱いのでクラブミュージックや低音の効いた音を制作するには向かなかったりする。最近ではKRKやGENELEC、FOSTEXなどのメーカーから出ている製品がスタジオでよく使われていたりする。音が良い、という観点で選ぶのではなく、音が見えやすいという観点でモニターは選ぶべきだろう。

ヘッドホンではSONY MDR-CD900STなんかはスタジオ標準だ。ちょっとしたEQの違いを聞き分けるにはこのヘッドホンは非常に精度の高い解像度を提供してくれる。(実はこのヘッドホン今発売されているモノはSONY製じゃない!?)

EQを軽くいじってみて、その違いを確認してみよう。周波数帯にもよるが、極端にいじらないと音が変わった印象を受けないようだったらモニター環境を要改善だ。

EQには大きく分けてパラメトリックとグラフィックと2種類あるが、楽曲制作にはパラメトリックの方がよく使われる。ちなみにグラフィックはPAの場面でよく使われたりする。今回は楽曲制作という観点から論じているので、パラメトリックイコライザーで話を進めていくこととする。

さて、EQの基本的使い方に「マスキング」という方法がある。これは強調されている周波数帯を削りフラットにする方法だ。

具体的な操作方法は、ゲインを最大に上げた状態で周波数帯を上げ下げしてみる。一番音が大きく感じる周波数帯を削ると音はフラット方向になる。消極的使い方だが、パラメトリックイコライザーの基本的使い方。ミックスが上手くいかないときはこの方法を試してみると上手くいくことも多い。余談だが、PAでハウリングするときもこれに準ずる方法でハウリングを回避する。

直感的にEQを使うことも良いかも知れないが、まずはマスキングから行なってみることが重要。

そしてEQを使って強調させたい場合は慎重にEQ触る必要がある。単体の音だけを聴いてEQすることは禁物。まず音をミックスさせた状態でEQを調整してみる。その後単体にして再度EQコントロールすると目的が見えてきやすい。ミックスさせた状態と、単体での状態を繰り返し聞き返すことも重要。

そして迷ったときは何度もリセットすることが大切。音は長い間同じ音を聴いていると間違いなくわからなくなってくる。EQは長い時間をかけずに手際よくコントロールすることもコツ。ちなみに陥りがちな典型的なケースとして、EQを迷っていると、高音成分が落ちすぎたモコモコした音になることが多い。これは聞いているうちに高音をうるさく感じてしまい、高音成分削ってしまうことに起因する。

ただ、EQの使い方にルールは無い。DJがEQをグリグリしながらエフェクト的使い方もよくする。

ちゃんとマスキングや基礎的使い方を知った上でアグレッシブにEQを使うのであればそれはそれで個性も出てくるはずだ。

この次はEQの個性的な使い方を紹介してみましょう。

Rhodes Piano

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なんとも甘くて切ない音を出す、今やビンテージエレクトリックピアノの代表ともいえる、Rhodes。

確か私が高校生ぐらいのとき、バンドでRhodesをはじめて弾いたとき、なんとも目立たない甘い音で、しょっぼいなぁと思った記憶があります。当時はDX7やCP80といったキラキラした音が流行っており、エッジの甘いRhodesのMK-Iなんかは中古屋で5万ぐらいで売られていました。(買っときゃよかった・・・。)そういえばそのころ発売されていたMK-VはRhodesの中でもコリコリしたエッジの立った音がしてました。確かMIDI OUTが付いていた記憶がありますが、中古市場ではほとんど見ることのないレアものです。その後80年代半ば以降Rhodesブランドがローランド傘下になり、デジタルのRhodesも出ますが、この辺でRhodesはマーケットから消えていきます。

ところが90年代に入って、Rhodesは息を吹き返します。Acid Jazzに代表される、当時の新しいサウンドにRhodesが随所に使われるようになったのです。あちらこちらで眠っていたRhodesがどーっと中古市場に出回り、今や、コンディションが良ければ40万から50万もすることも。(Rhodesの産みの親、ハロルド・ローズさんも天国でびっくりしてるのでは?)

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そのRhodesの種類もいくつかあり、一般的なのがSeventyThreeのMk-I、Mk-IIそしてアンプ一体型のSuiteCase。私はその中でもとりわけ甘い音を出すSuiteCaseが好きで、スタジオにもいつでも音が出せるように置いてあります。(昔と反対ですね!)

さてRhodesを弾くアーティストはたくさんいますが、私は一番好きなのが、ドナルド・フェーゲン。彼の織り成すコードワークはなんともカオスというか、不思議ワールドというか独特なものがあります。超絶なテクニックをこれでもか!と見せつけるハービー・ハンコックも大好きですが、ドナルド・フェーゲンの不思議ワールドも最高です。

ちなみに私の場合、うちのSuiteCaseはレコーディングにはほとんど使いません。作曲のブレーンストーミングに使うのです。特に歌モノを作曲するときにはまずRhodesで探っていきます。本当はレコーディングにも使いたいのですが、いかんせんコンディションがいまいちでガリや出ない音もいくつか・・・。かなりのおじーちゃんでございます。

早く、オーバーホールしてレコーディングでも活躍させたいところですが、今は私のブレストのパートナーであったりします。

倍音成分の少ないRhodesはうるさいアンサンブルでは埋もれがちですが、使い方次第で「あの」独特の甘い世界感が演出できます。

そう、実はプラグインでもいろんな種類のRhodesが発売されています。タインの微妙な打鍵ノイズまで表現されたものすらあります。そして今、本家から、Mark-7が発売されようとしていることも興味津々です。

ビンテージと最新テクノロジーの狭間で新しい音楽が生まれていくんですね。