制作技術 Technic: 2008年7月アーカイブ

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サラウンドと聞いて、「あ、DVDの映画とかね・・・」なんて思う人も多いと思います。ところが音楽単体でもサラウンドで聴くと非常に色々な良い効果が得られ、その可能性というのは非常に大きい事に最近気付いたのです。

とある某大手メーカーのコンサルティングをしているのですが、サラウンドについて色々と共同研究をさせていただいています。いわゆる立体音響という観点からですね。

設置がめんどくさい、スイートスポットが狭い、ソフトが少ない等、ネガティブな要素も強いサラウンドですが、実は音楽のフィールドにおいて、サラウンドはメリットが非常に多いことがわかってきました。

メリット1

まず、スピーカーが多いため、2CHに比べると非常に分離感が得られます。そして音圧を上げていってもごちゃごちゃになりません。ミックスをしてみて思ったのですが、とにかく音楽の各要素がよく見えます。ですから、アラもよくわかります。飽和感が無いのでミックスの上手い、ヘタがよく出ます。

メリット2

昨今の音圧戦争とは逆に音圧を上げなくても、音圧感が得られます。ということはダイナミクスレンジがしっかり取れ、音楽の抑揚がきれいに表現されるのです。音楽の持つ本来のダイナミクスに近づきます。

メリット3

簡単に音場を作ることができるので、臨場感はかなり得られます。たとえばライブ録音、ホール録音などを再現する場合、非常に効果的です。2chとは比較にならないくらい広がりを上手く作る事が出来ます。

このように実は音楽を聴く上でサラウンドは非常に面白い試みなのですが、いかんせん一般にはなかなか普及しません。

その原因のひとつは、DVDの映画なんかに収録されている5.1chサラウンドは本当に面白くないのです。

「後ろのスピーカーは鳴ってるか?」と思わんばかりの作品も多く、「場」を作るといったことに徹しており、音楽は前のLRからしか鳴らないといった作品が多いのです。

そこで、私の考察ですが、せっかく後ろにもスピーカーがあるのですから、前と同じようにエネルギーを突っ込んで鳴らすべきと思うのです。

音楽もバンバン後ろから鳴らすのです。セリフはハードセンターからとは決めず、後ろや左右からもバンバン出すのです。

映画のサラウンドエンジニアさんからは怒られそうですが、音楽をサラウンドミックスしているうちに気付いたのですが、いろんなアプローチでミックスしてもいいんじゃないかと思ったわけです。

最近は下火ですが、DVDオーディオのサラウンド作品なんかでは面白いことをやっているモノがたくさんあります。しかしこれも普及はしない!なぜか!

さ、そこで問題・・・。私たちの音楽を聴くシーンのほとんどはiPodなどの携帯プレーヤーやちょっとしたBGMなど、簡易なシーンで音楽は消費されているわけです。

ちゃんとリスニングポイントに座って音楽を聴くことが実は非常にレアなケースなのです。

ところが映画なんかのDVDは?というと映像はやはり、家のソファーに座ってテレビの前で見るといったスタイルが一般的なわけです。

そう、音楽のサラウンドを普及させるには「映像」が必要なのです。集中する空間、場が必要なのですね。

映画を楽しむように、音楽も映像と一緒に楽しむ時代が来れば、サラウンドももっと普及していくのかも知れません。

そうそう、余談ですが、サラウンドは音が360゜回ると思われがちですが、なぜか前後のパンニングはよく感知できません。詳しくは私も良くわかりませんが、人間の感覚のせいか、前の映像を見ながら前後の音の移動は良く感知できないようなんです。映像が立体になれば、もしかしたら前後のパンニングもわかるようになるのかも知れませんね・・・。

サラウンドは奥が深い。

定番のマイク

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レコーディングをする際、マイクはかなり重要な役割を果たす。なぜなら、マイクのキャラクターは千差万別で収録する内容によって使い分けなければならず、そのノウハウはエンジニアさんの力の見せ所でもある。

marimoRECORDSのスタジオは収録スタイルに対応できるように色々なマイクを用意している。 が、当社で使うマイクといってもボーカル、ギター、バイオリン、サックスやフルートなどの単体楽器、ナレーションなどで、守備範囲はそんなに広くない。

ところが、外部でレコーディングする際、状況は一変する。バンドやアンサンブルなどを収録する場合、何十本のマイクが登場する。時には見たこともないような高価なマイクも目にすることがある。そして、エンジニアさんがどのマイクをどのように配置しているのかを盗み見をするのである。

このマイクをこんな使い方をするんだ!といったこともよく見られます。そしてエンジニアさんのこだわりをよーく聞いて、それを今度は自分のスタジオでも活かしてみるわけです。

そして、いくつかの現場を転々すると、定番のマイクがわかってきます。定番を使いこなした上で自分らしいマイキングをする!これが楽しい。

最近はピアノのレコーディングの仕方で面白い方法をエンジニアさんに聞いたり、ドラムのオーバーヘッドを効果的に収録するコツも教えてもらった。

これらは原理を理解すれば、バイオリンや、パーカッションに活かせたるもする。

高価なマイクだからよい音で収録出来るわけではない。マイクは奥が深い。

そうそう、定番マイクといわれるものは、実はどれも設計は20年から30年前だったりもします。

そして今、興味あるのがデジタルマイク・・・。どんな音がするんだろうか?

そしてデジタルマイクは定番になるのだろうか?

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定番マイクたち!
(写真のマイク 左から)

AKG C414B ULS:コンデンサーマイクの定番、ボーカル、ピアノなど向き。

AKG D112:バスドラの定番マイク。通称ビッグエッグ。後楽園ではありません。

NEUMANN U87i:コンデンサーマイクのド定番。これを基本に他のマイクを選んでいく。でも高い。

SENNHEISER MD421:通称クジラ。タム、コンガなどの皮モノの定番。

SHURE SM57:楽器用ダイナミックマイクのド定番。何本持っていても損はない。あるエンジニアさんいわく、このマイクをちゃんと扱うことが基本中の基本とのこと。困ったらとりあえず57です。

Sanken CO-100K:アンビエンスマイクとしてよく使用されている。形が特徴的!?そしてこれも非常に高価!!高級な現場で定番!?

AKG C451B:金モノはこれ!といったぐらい金モノ専用。ハイハット、シンバル用のマイクとしては定番中の定番。