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ディザーとはハイビットレートでレコーディングした時、その質感をそこそこ残してダウンコンバートするために加えるデジタルノイズのこと。

ノイズを加える??と思う人もいると思うが、たとえば、24bitでレコーディングしたものを16bitに落とすとき、このディザーを加えると明らかに24bitの質感を残して16bitにダウンコンバートされる。いわゆる、小さい音にちゃんと伸びが残るのだ。

Steinberg社のCubaseはVST5くらいだったかな?このディザーが標準で搭載されるようになった。最初は何のことか良くわからず、理解に苦しんだが、Cubaseはこのころから内部処理を32bitで行なうようになり、その利点を生かすためにこの機能を盛り込んだんだと思う。

24bitでレコーディングをし32bitで内部処理し、ディザーをかけて16bitで吐き出す・・・。なんのこっちゃと思う人も思うが、私のワークフローの中でこれが一番音が良いように思うのだ。

しかもこのディザーのメーカーはなんとAPOGEE社!APOGEEといえば、コンバーター界のルイ・ヴィトン。ProToolsの出始めのころ、音の輪郭がぼやけないということでレコスタはこぞってAPOGEE社のAD8000というADコンバータを使っていた。いまだ愛用者が多い名機でもある。(ルイ・ヴィトンというだけあってやはり高い!)そのAPOGEE社のディザーである。

女の子がルイ・ヴィトンなら間違いない!と思うように私もほぼその効果を絶対的に信じていた。

現在スタジオはNUENDO4がメインシステムとなっているが、もちろんこのAPOGEE社のUV22HR(昔はHRは無かった。)が標準で搭載されている。そしてマスターのエフェクトラックには当然のようにこのUV22HRを毎回挿している。

アシスタントがこのUV22HRを挿すのを忘れようものなら「アホ!」と突っ込むくらいである。

で、今回あるプロジェクトで24bit、96KHzで作業進めていた。いつもなら、そのままMIXをしもちろんこのディザーを通してMASTERING用のデータを吐き出すのだか、今回はめずらしく外部のスタジオでMIXすることになりすべてのデータをトラック別に吐き出したのだ。

データは24bit、44.1KHzで欲しいとのこと、32bitから24bitにダウンコンするのでUV22HRをちゃんと24bitに設定するようにアシスタントに指示した。

すると、アシスタントがいくつかのトラックで変な音がするというのです。たまたま出張中に作業をアシスタントに頼んでいたので、何かをやらかしたな!?と思ってスタジオに戻ってきたのですが、プロセスは合っているし何の問題も無いのに確かに音がおかしい。

特に今回コンガのトラックにこのコンバーターにかますと、なんと言うか飽和感というか、音が割れ気味というか、にじむというか、しっくり来ない。

で、外してみたら?と言ってみると、なんと!音はきれいにコンバートされているではないか!!

参った! えー、ディザーをかまさない方が音が良いんすか?って感じです。

今まで確かに32bitを16bitには変換していたものの、32bitから24bitに変換したことはあまり無くこんなことに気付かなかった。(原因はどうもこれっぽいが、断定はせず。)

ただ、困ったことに他のトラックには問題が無かったりする。たとえばギターやボーカルにはそんな症状は出ない。今回はコンガといくつかのトラックにだけしか症状が出ないのだ。

症状が出たり出なかったりする。今まで妄信的にこのディザーを信じていたが、今日限りこれからは疑ってかかることにした。ま、今までまじめだったヤツがたまたま風俗に行って、運悪く嫁にばれた状況みたいなものだ。(私のことではないのであしからず。)

人間とは不思議なもので妄信的になると落とし穴があったりする。ここ数年何の疑いも無くこのUV22を使っていたが、これからは耳で確かめてからディザーを挿すこととしようと決心した。

いやーデータ提出が1日遅れてしまったが、気付いてセーフ!アシスタントに感謝。

もう、これからはディザーを挿し忘れてもやさしくします。

  
19.jpg参考までにディザーの原理はこちらから・・・。
http://www.aegweb.it/apogee/html/AV22.html

http://www.apogeedigital.com/products/uv22hr.php

http://www.apogeedigital.com/pdf/uv22_process.pdf

 

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