Select Page

CUBASEを使っていた人ならなじみが深い、テープシミュレーター「MAGNETO」。エフェクターの一種というか、アナログテープのヘッドを通ったような独特な音の変化は、サチュレーション感を与え、オリジナルの音より太くなった印象を与えます。
昔このMAGNETOはCUBASEとは別売りで、どうしても欲しいプラグインの一つでした。そしてこのMAGNETO、現在のCUBASE6ではついにサポートされなくなりました。個人的にはこんなこともありテープシミュレーターから少し遠ざかっていました。

ところが、最近またテープシミュレーションのプラグインが再燃してきたのです。

UADからはSTUDER A800、AMPEX ATR-102をシミュレーションしたもの、WAVESからはAmpex 350/351をモデルにしたMPXなど、次々とビンテージテープレコーダーのヘッドと回路やテープをシミュレーションしたプラグインが発表されたのです。

正直、どんなものか疑心暗鬼でしたが、使って驚きました。もちろんMAGNETOも良かったのですが、より進化しています。さすがに、残念ながらこれらプラグインを実機と比較という訳にもいきませんが・・・。

EQやコンプでは出し得ない不思議なテープサウンドが得られます。STUDERもAMPEXも今や動かそうと思ったら、相当な費用がかかりますし、テープ一本買うのにも苦労します。しかも、これらのテープレコーダーはメンテが大変らしく、誰でもそう簡単に使える代物ではありません。AMPEXの350/351は真空管のヘッドでもあるので、コンディションによっても音質は大きく左右されることが考えられます。

プラグインはというと、GUIも良くできていて、「REPRO」(すなわちONにすると)ボタンを押すとちゃんとテープが回ります。パソコンの能力が上がった現代だからこその楽しい仕様でもあります。

A800、実機は24ch仕様ですが、プラグインはどこにでもインサートできます。テープスピードを30IPSにするとドッカンときます。EQ調整やノイズを加えたり、それらしくするオプションも豊富。

MPXは実機にかなり似せてきたGUIです。レトロ感満載なうえ、ワウフラッターやヒスノイズすら再現してくれます。やり過ぎ!でも好き。

実機は古いのですが、一番新しいプラグイン!?です。テープも選べますが、ヘッドも選べます。こうなってくると趣味の世界です。わからん人にはさっぱりわからん機能でもあります。が、試すとその違いは歴然。試すのは楽しいですが、自分の作品に応用するときは悩みます。

こういった、なかなか実機を使うことが出来ないものはプラグイン化されることで誰でもその効果を得られることが出来ます。これがデジタルワークフローの良いところでもありますね。マスタリングの時のちょっとした音の持ち上げ時や、トラックにパンチを効かせたいとき、仕様用途は多岐にわたります。

ちなみにA800のオリジナルはこんな感じです。ロンドンのBritish Grove Studioはこいつを6台所有しており、これらをシンクさせることが出来るモンスターシステムがありました。1本のテープ代だけでプラグインが変えます。(笑)右にちらっと見えるのが、AMPEXのATR-102ですね。豪華!ちなみに真ん中のデッキのリールはGP9でしょうか、写真撮った時には確認しなかったのですが、今思うと・・・。赤いリールはちょっとかっこいいです。
テープの良さがデジタル技術によってシミュレーションされることは、より良い音楽を作りたいと思うクリエータにはまさにありがたいことでもあります。

個人的なプラグインの印象ですが、UADのA800のテープスピードを30ipsにしてちょっとEQでHIを上げると、ビンテージプロセスながらも現代的な音になる感じが好みであったります。MAGNETOなき今、UADのA800がちょっとストライクな今日この頃です。

%d bloggers like this: